強い日差し、気になる外からの視線、そして家具の日焼け──レースカーテン選びで直面する悩みは意外と多いものです。
特に「遮熱したいけど部屋は暗くしたくない」「日中のプライバシーを守りたい」という方には、近年注目されている“採光拡散ミラーレース”が有力な選択肢となります。
この記事では、実際に筆者宅で使用しているミラーレースカーテンを用い、遮熱・遮像・UVカットの各効果を実証。写真付きでその実力を解説します。
採光拡散ミラーレースとは?機能と一般的なミラーレースとの違い
ミラーレースの基本性能
一般的なミラーレースカーテンは以下の機能を持ちます:
- 外からの視線を遮る「遮像効果」
- 太陽熱の侵入を抑える「遮熱効果」
- 紫外線から室内を守る「UVカット効果」
メーカーのカタログには各機能のマークと共に数字やアルファベットで機能の水準が記載されていることが多いので、どの程度の強さの機能が必要かでお選びいただけます。
特に数値化されていない生地については、実際に表からや裏から、景色を透かして見ていただき、ご自身のご希望の感じをつかんでいただくと良いと思います。
採光拡散の特長とは?
採光拡散レースは、光を遮るのではなく「やわらかく広げる」ことに重点を置いたタイプ。従来のミラーレースよりも部屋全体を明るく保ちつつ、プライバシーと快適性を両立します。
実証① 遮熱効果は本当にある?
筆者宅の南側ベランダにて、以下の2パターンで比較しました。
こちらは南側のベランダを網戸越しに見たもの。左側のみ掛かっているのがスミノエのD3519・ミラーレース・遮熱効果あり・遮像効果1(最も高い)・UVカット効果S(Aのさらに上)です。
両側とも閉めた状態。外の景色もぼんやりと見えます。この段階でかなり暑く、カーテンを開けた状態では結構熱気が入って来ていましたが、閉めると熱気は遮られた感じがします。
条件 | 室温(同外気温) |
網戸+カーテンなし | 約30.5℃ |
網戸+採光拡散ミラーレース有り | 約28.0℃ |
→ 約2.5℃の温度差があり、明らかに熱の侵入が抑えられていることが確認できます。冷房の効率向上にも貢献が期待できます。
実証② 室内の明るさはどう変わる?
レースなし/ありでの新聞紙の見え方や壁面の明るさを比較しました。
これは、カーテン無しで窓際に新聞を置いてみた写真です。窓に近い左側の明るさと右側の暗さとの差が大きいのがおわかりになると思います。
今度はレースを引いて新聞を置いてみました。全体がほんのり明るいと感じられると思いますがいかがでしょうか?
次は壁で検証します。
カーテンを開けた状態での部屋の壁と天井です。窓際は逆に暗く少し離れて直接光が当たるところが明るくなっています。(古い家なので汚い所はご容赦下さい)
ミラーレースを引いた状態です。壁、天井ともに全体が明るくなったのがおわかりいただけると思います。これが採光拡散レースの威力です。
状態 | 特徴 |
カーテンなし | 窓際だけ明るく、部屋奥が暗くなりがち |
ミラーレースあり | 部屋全体がほのかに明るく、天井や壁も柔らかく照らす |
→採光拡散タイプならではの“光の広がり”が実感できました。
実証③ 遮像効果は時間帯で変わる?
実際に外から部屋を見て、時間帯による見え方を比べました。
まずは日中です。
夕方外が薄暗くなり、部屋にあかりを灯す時間帯です。(窓から1.5m位の距離から撮影しています)ふつうはそこまで近づいて見られることは少ないと思います。
こちらは夜間、外が真っ暗になってから。
時間帯 | 外からの見え方 |
日中 | 中はまったく見えない(遮像等級1) |
夕方 | 明かりがうっすら見えるが室内は見えない |
夜間 | 照明と影が少し見える。近距離ではやや不安も |
→夜間は補助的にドレープカーテンやシャッターの併用が推奨されます。
購入時のチェックポイント3つ
迷ったときは以下を確認しましょう:
- 遮像等級や遮熱・UVカットのマークが付いているか
- 販売店やショールームでの透け感の体験が可能か
- 軽やかさ・生地感と機能性のバランスが自分の理想に近いか
採光拡散タイプのミラーレースカーテンは、スミノエ・リリカラ・川島織物セルコンなどから多彩なバリエーションが展開されています。遮像等級等が同じでも生地の透け感や風合い、光の拡散具合が大きく異なるため、カタログ表記だけで判断せず、ショールームや売り場で実物サンプルを手に取り、昼夜の見え方や手ざわりを確認することが大切です。
まとめ:こんな人におすすめ!
採光拡散ミラーレースは以下のような方に最適です:
- 明るさを保ちながらプライバシーも守りたい
- 夏の暑さ対策をしたい
- 家具や床の日焼けを防ぎたい
見た目の軽やかさよりも機能性を重視したい方にこそぴったりの選択肢です。選ぶ際は「遮像等級」「採光の体感」「UVカット率」などの数値だけでなく、実物の質感や透け感をぜひ体感してみてください。