「部屋を広く見せたい」「生活感を抑えて洗練されたインテリアにしたい」そんな悩みをお持ちの方におすすめなのが、カーテンボックスや天井埋め込みレールの活用です。
この記事では、カーテンレールが見えないすっきりした部屋にしたい方に向けて、設置方法・注意点・組み合わせ例まで詳しく解説します。新築やリフォーム時の窓まわり設計にお悩みの方は必見です。
天井埋め込みカーテンレールとは?
見た目がすっきりする「埋め込み設置」の基本
カーテンレールの取り付け方として、窓枠上にお部屋からレールが見えるように設置する正面付けタイプと、天井に取り付ける天井付けタイプがあります。
最近のマンションや注文住宅で増えているのが、カーテンレールを天井内に埋め込んで設置する方法です。これは天井部分を少し掘り下げて、レールやブラインドなどのメカ類が見えないようにするスタイルです。
- 天井までカーテンを吊るせるため、空間が広く感じられる
- カーテンが部屋と一体化し、インテリアが洗練される
- 窓の高さが強調され、自然光がより引き立つ
カーテンボックスとの違い
もうひとつの方法が、天井付けレールにカーテンボックス(木製のカバー)をつけるスタイルです。レール自体は天井に取り付けますが、前面から見えないようカバーすることで、より完成度の高い仕上がりに。
設置前に確認すべき「必要な奥行き」
見た目の美しさだけでなく、実用性も大切です。特に以下の組み合わせでは、カーテンボックスや埋め込みスペースに『必要な巾(奥行き)』が異なります。
ドレープ+レース(2倍ヒダ)

<カーテンとカーテン>
※レースを手前にして使う「レースイン」の場合は、中央の30mmと40mmの部分の長さが逆転になります。
このスペースが無ければ、「カーテンを開け閉めする時に片方だけ動かしたいのに、両方くっ付いて動いてしまう…」というトラブルが起きます。レールを入れるカーテンボックス自体の巾は最低150mm必要です。厚手の遮光のカーテンやベロア調のかさばるカーテンの場合は要注意です。
ドレープ+レース(フラット)

<フラットカーテン>
かさばらず、シンプルでモダンな印象のフラットカーテン。こちらはもっと注意が必要です。カーテンを広げている時は前後に飛び出すボリュームもなくスッキリしていますが、いざカーテンを寄せると前面上部にヒダを取っていないので大きく前後にうねりが出ます。
そのためスムーズに開け閉めするためにはレース用レールを少し離して付ける必要があり、カーテンボックスの巾も180mmがおすすめになります。
カーテン+横型ブラインド(アルミ)

<カーテンとブラインド>
横型ブラインドとカーテンの組み合わせです。日中は、ブラインドでスッキリ、夜はカーテンで落ち着いた雰囲気と省エネの効果をという組み合わせです。
横型ブラインドもアルミの25mm巾のものなら少し狭いボックスでも設置可能ですが、ウッドブラインドになるとスラット巾が35~50mmと太くなるので広めのボックスが必要です。
カーテン+縦型ブラインド

<縦型ブラインドとカーテン>
最後は人気の縦型ブラインドとカーテンの組み合わせです。レースとドレープのスラットを交互に入れるアンサンブルタイプの縦型ブラインドもありますが、前側あるいは窓側にレースのカーテンを吊るして昼夜使い分ける場合もあります。
縦型ブラインドは、スラット(ルーバー)の回転領域が結構必要ですので、このイラストでは80mmのルーバーになっていますが、一般的な100mmのルーバーだとボックスの巾は、もう20mmは必要になります。
必要奥行きを一覧にまとめました▶︎
組み合わせ例 | 最低必要巾の目安 | 注意点 |
ドレープ+レース(2倍ヒダ) | 150mm以上 | ヒダが重なりやすく、接触による動作不良のリスク |
カーテン+レース(フラット) | 180mm以上 | うねりによる干渉が大きく、余裕が必要 |
カーテン+横型ブラインド(アルミ) | 150〜160mm | スラットが細ければ比較的設置しやすい |
カーテン+ウッドブラインド | 180mm以上 | スラットが太く、収納にスペースが必要 |
カーテン+縦型ブラインド | 180〜200mm | ルーバーの回転域を確保する必要あり |
目安: 一般的な既製ボックスは 150 mm 程度。組み合わせを想定して新築・リフォーム段階で余裕寸法を確保しましょう。
設計・リフォーム時の注意点
ボックスの奥行きが不足すると…
以下のようなトラブルが起こりがちです:
- 開閉時にレースとドレープが干渉して動きが悪くなる
- メカ商品がうまく格納できず、施工できない
- 将来的な仕様変更ができない(例:ブラインドに変更したいがスペースが足りない)
狭すぎるボックスを避けるために
例えば「ロールスクリーンしか使わない予定だった」という理由で巾を狭く作るのは危険です。実際に、「斜めにしないと器具が入らない」「配線スペースが取れない」といった施工時のトラブルは少なくありません。
まとめ:窓まわり計画は“余白設計”がカギ
天井埋め込みカーテンレールやカーテンボックスは、視覚的な美しさと機能性を両立できる優れた選択肢です。
- カーテンスタイルやブラインドの種類によって必要な奥行きは異なる
- 汎用性を持たせるなら、最低でも150〜200mmの巾を確保しておくと安心
- 見た目だけでなく、開閉のスムーズさや将来の仕様変更も考慮に入れるべき
窓まわりは部屋の印象を大きく左右するからこそ、「すっきり見せる設計」=「後悔しない選択」につながります。設計段階での検討が、快適な暮らしの鍵を握ります。