カーテンに防炎は必要? 万が一に備えて知っておきたいポイント

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カーテン選びをする中で、「防炎機能付き」という言葉を目にすることがあります。けれども、実際に「うちには必要なの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。

おしゃれさや遮光性に目が行きがちですが、防炎機能は万が一の火災時には命を守る大事な性能のひとつです。今回は、そんなカーテンの防炎機能と、その必要性についてご紹介します。

 

防炎カーテンとは?

まず、防炎カーテンとは、「燃え広がりにくい加工」が施されたカーテンのことです。火に直接触れても簡単には燃え広がらず、火災の拡大を防ぐ効果があります。完全に燃えないわけではありませんが、通常の繊維製品よりも火の進行を大幅に遅らせるため、初期消火や避難の時間を稼ぐことができます。

消防庁が防炎と非防炎での燃焼比較実験の動画を公開しています。違いがとてもわかりやすいので、参考になると思います。

(参考元:総務省消防庁「防炎品」

 

法律で防炎カーテンが「義務付けられている場所」とは?

実は、防炎カーテンは「すべての場所で義務」ではありません。しかし、以下の施設・建物では消防法施行令により、義務化されています。これには、火災時の被害拡大を防ぐためという明確な目的があります。

  • ホテル・旅館・病院・診療所
  • 飲食店・映画館・劇場などの不特定多数が集まる場所
  • 介護施設・保育園・学校などの社会福祉施設
  • 高さ31m以上の高層建築物(高層マンションなど)

とくに高層マンションの住居内では、リビングや寝室のカーテンも含めて「防炎ラベル付き」が必須になります。同じマンション内であれば、低層階でも同じですので、注意が必要です。

尚、ウッドブラインドやアルミブラインド等、布製でないウィンドウトリートメントにおいては防炎規制の対象ではありません。

 

一般家庭でも防炎は必要?

川島織物セルコン FT7545 レース カラーレース

実は、一戸建て住宅や10階建て以下の低層マンションの場合、防炎カーテンの使用は必須ではなく任意となります。

しかし、「必要ない」と断言できるかというと、そうでもありません。たとえば、次のような場合、防炎カーテンを取り入れる価値は十分にあります。

・火の気の多い場所
キッチンに隣接する窓
ストーブやヒーターの近く

・小さなお子様や高齢者がいるご家庭
万一の火遊びや転倒による事故などが想定される

火の回りが早い布製品だからこそ、少しの火種が大きな火災事故につながる可能性があります。防炎カーテンを選ぶことで、万が一のリスクを小さくできるのです。

 

防炎カーテンの選び方

防炎マーク NIF

NIF 防炎マーク

防炎機能のついたカーテンには生地の機能性表示の中にNIF(一般社団法人日本インテリア協会)の定めた「防炎マーク」が表示されています。このマークがある生地は消防法施行規則に基づいた防炎性能試験に合格している事を表しています。

防炎ラベル 日本防炎協会

日本防炎協会 防炎ラベル

また、公共施設や一部の店舗において防炎性能を提示する必要があるような場合には、「日本防炎協会」の認定ラベルの取付が必須となります。

防炎機能を重視して選ぶとデザイン性が後回しになりがちですが、オーダーカーテンなら、防炎機能付きでも生地やスタイルを幅広く選べるため、おしゃれに安全対策を取り入れられますよ。

各施設や住宅向けに防炎製品を集めたカタログを作成しているメーカーもあるため、防炎で絞り込んで探す場合にはカタログから候補を探すのもおすすめです。

全商品防炎カタログ
川島織物セルコン FELTA デジタルカタログ
SUMINOE Mode S デジタルカタログ

防炎ラベル 防炎補助ラベル

防炎補助ラベル縫い付け例

防炎補助ラベルについて

更に、2015年4月より、防炎ラベルの中でも洗濯後に防炎機能の変化がない「イ」「ロ」「ハ」の区分内に当たるものに関しては、防炎ラベルに重ねる・並べるなどしてカーテン用防炎補助ラベルの縫い付けが消防庁で義務付けられています。

補助ラベルには照会No.が記載されており、使用されているカーテン生地の製造業者、ロット、バッチ番号等の生産元が確認できます。この補助ラベルが付くことで、製品がいつどこで作られたかを保証できるトレーサビリティの確保につながるため、販売者目線では安心・安全な製品をお届けすることに役立てたり、問題発生時の原因特定にも役立っています。

 

まとめ

防炎カーテンは「万が一」の備え。普段の生活ではあまり意識することがないかもしれませんが、火災は突然起こるものです。防炎カーテンは「備えあれば憂いなし」の代表例と言えるでしょう。

とくにキッチン付近や寝室、子ども部屋など、万が一を想定して防炎対応しておくと、安心感がぐっと高まります。ご家庭に合わせた安全対策のひとつとして、カーテン選びの際にはぜひ「防炎機能」も選択肢に入れてみてください。

 

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